時空自在

タンジールから中国へ・そして帰還

2018-01-01から1年間の記事一覧

正拳

空手修行者の座右の銘として「握り方三年・立ち方三年・突き方三年」という言葉がある。 最も基本的な事を極めるのにこそ長い年月がかかる事を示唆した諌言だ。 これは、空手を始めて間もない者にとって、時として壁の様に立ちはだかる、空手習得の過程が厳…

平成最後の夏に(奇妙な果実)

8月も終わろうとしている。 今年の夏は暑かったですね。 きっと、「災害級の暑さ」として記憶される2018年の夏だが、私は太陽に焼かれながら晴天の青さに歓喜していました。 そういえば今年は「平成最後の夏」だ。来年の皇室代替わりに向けて、世間では「平…

シリア内戦の終らせ方

アメリアのアサド軍事基地攻撃によってシリア内戦のページがまた一つめくられた。シリア内戦が悲劇的様相を深めている第一の要因はアサドの強権政治(およびロシアの強力な支援)にあるが、もう一つの要因は国連安保理の機能不全である。アメリカの今回の攻…

アメリカの軍事介入はシリアを地獄から救うか?

アメリカがいよいよアサド政府へ攻撃を開始する見通しです。この攻撃は去年4月にそうだったように軍事基地をピンポイントで狙った限定的なもので終るでしょうか。それとも、レッドラインを越えたアサド体制を崩壊に追い込むほどの、新たな戦争と呼べる規模の…

私的・情報の読み方

いわゆる「投射型思考」の問題 「投射型思考」 ぐぐっても出てこないが私の造語ではない。黒田寛一の造語である。どういうことか? 人間はある思い込みが形成されると、その思い込みを現実に当てはめようとする。事実から出発して思考するのでなく、観念から…

安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから

私は「安らかにお眠りください。過ちは繰り返しませぬから」という原爆慰霊碑に刻まれた言葉は、被爆国国民としても、一人の人間としても尊いものだと思う。 かって慰霊碑の正面に立った時は感動で身体が震えたものだ。人類の共通の財産とはこういう事なんだ…

『性暴力の理解と治療教育』ノート

(藤岡淳子著/誠信書房) 今回記すのは書評ではなく、表題の書についてのただのノートだ。 性犯罪加害者の再教育を担ってきた筆者が本書にまとめた「性犯罪」「性犯罪加害者」の捉え方を私なりに拾い出した。 「書評」でなく「ノート」だと断ったのは、後述…

箴言

男たち:計算高く、ある人々は理知的ですらあるがいつも勘違いしていて、見込み違いが激しい。 女たち:情念をぶつけあっていつも傷ついている。 人間:つねに過去に縛られ、きっといつかと同じ失敗を繰り返す。

3ギニー

表題の書はヴァージニア・ウルフ著、昨年10月に平凡社から邦訳(片山亜紀訳)が出版された。 原著は1938年6月に上辞された。ナチスのチェコ割譲とポーランド侵攻の狭間の時期、またスペイン内戦が戦われヨーロッパが大戦の予感に慄いた時代である。 またイギ…